ローリンの声が聴ける! 胸が躍りまくった。フージーズの2作目『The Score』の大成功から、勢いに乗ったままリリースした98年のソロ作『The Miseducation Of Lauryn
Hill』で世界中の賞賛を浴び、メアリーJ・ブライジやアレサ・フランクリンのプロデュースも手掛け、これからという矢先に突如として雲隠れ……それから約3年の沈黙を経て久々に聴ける彼女の声だ。その類い稀なスキルは、曇ることなくいっそう研ぎすまされて戻ってきた。誰も聴いたことのない新曲をアコースティック・ギターだけをバックに披露するというのは、いくらローリンでも無謀すぎるのでは?とも思ったが、沈黙の間に本当の自分を見つけ、何時でもありのままの自分でいようとする彼女にとって、そんな心配は無用だった。ビートを効かせたみずからのアコギをバックに、アグレシッヴなラップを挟みつつ力強く歌ったかと思うと、感極まって涙混じりになったり、はたまた声が奇麗に出なくて裏返ったりしても、それをもみずから楽しんでしまう。そのさまの清々しさといったらない。もはや、常人には想像もつかない遠い世界の人、聖者のような存在にも思えるが、同時に、とても身近な人にも感じられるのが素晴らしいところだ。“I
Gotta Find Peace Of Mind”や“Mystery Of Iniquity”で心を打たれない人はいないだろう。
Disc 1
Disc 2